この記事では「雪国に住んでいて、さらに快適な暮らしを実現したい」「将来的に雪国に家を建てたい」という方に向けて以下の内容を解説します。
・雪国の暮らしの特徴
・雪国で家づくりをするためのポイント
家づくりでは、家を建てる地域の特性にあわせて考えることが大切です。この記事では「雪国・寒冷地」に焦点をあわせた内容になっています。ぜひ最後までご覧ください。
雪国の特徴からみる暮らし
まずはじめに、雪国の特徴からみる暮らしをご紹介します。
冬場はマイナスの気温がデフォルト
雪国の冬場の気温はマイナス温度がデフォルトです。最低気温はもちろんマイナスですが、最高気温もマイナスです。雪国に住んでいる人たちからすると、冬場の気温が1~2度あれば暖かい気温と感じる人が多いみたいです。雪国の中でも地域によって温度差はありますが、基本的に冬場の気温はマイナス温度がほとんどであるということを意識しておきましょう。
雪かきがとにかく大変
雪国では冬場は雪が降る日が多く、雪かきがとにかく大変です。以下の表は秋田県の1回における除雪作業の時間を示しています。半分以上の人が30分~1時間前後雪かきをしているということが分かりますね。重量のある雪をスコップで集めて、堆雪場(たいせつじょう)と呼ばれる排雪した雪を溜めておく場所まで繰り返し運搬するのは慣れている地元住民でも身体に負担がかかる重労働です。
画像引用元:移住したい
雪国の家づくりで意識したいポイント
続いて、雪国で家をつくる上でのポイントをご紹介します。
断熱性と気密性にこだわる
気密性と断熱性は、どちらも片方だけでは十分な効力を発揮できないため、寒冷地では基本的に「高気密」と「高断熱」を両立させた家づくりが前提となります。住宅の気密性が高くなると、外気の影響を受けにくくなり、室内の温度を一定に保ちやすくなります。また、高断熱住宅は、壁や天井などに専用の断熱材を導入して外気を遮断する仕組みです。断熱性や気密性といった住宅性能は、具体的な数値として表されます。たとえば、「Q値」は住宅の熱損失係数を示す数字であり、1平米あたりで失われる熱量を比較することが可能です。
雪かきがしやすい・雪かきが不要な設計を取り入れる
屋根に雪がたまってしまうと、重さによって建物部分へ大きな負担がかかります。雪下ろしを頻繁に行うのも負担になってしまうため、屋根を急勾配の形状にして、自然に雪が落ちる「落屑式」にするのも一つの方法です。具体的な形状としては、1つずつのパーツ面積が小さい「寄棟屋根」や、角度を設けやすい「片流れ屋根」があります。
また、屋根に雪を載せたまま自然処理することができる「無落雪式」もあります。フラットな形状の屋根のため、雪がつもりにくく新雪で1.5mの積雪まで耐えることができます。万が一、大雪で雪下ろし作業が発生しても、フラット屋根のため危険性が軽減されます。
車の置き場所を工夫する
雪国では、車の置き場所を工夫しないといけません。車に雪が積もっているとすぐに出庫することができない他、故障の原因にもなりかねないことがあります。車を外に置く場合、日当たりの良い場所に駐車スペースをつくることで雪を溶けやすくする工夫をしたり、カーポートを設置することで雪かき面積を減らすことができます。また、他の方法としてはインナーガレージにし、完全に雪が車に積もらないようにすることが考えられます。
暖房設備はイニシャルコストとランニングコスト両方をみる
雪国に暮らす以上、暖房設備は必須になるでしょう。暖房設備には、エアコンやヒーター、床暖房などがあります。どれも、使用する面積や時間をもとにイニシャルコストとランニングコストをみるようにしてください。たとえばエアコンを例にあげると、使用する面積が10畳程度に対して20畳を暖めるスペックのものを購入してしまうとイニシャルコストも高くなってしまいますし、20畳を暖めるだけの電力も消費してしまうのでランニングコストも高くなります。また、イニシャルコストが高くない暖房設備は、消費電力が大きいこともありますので注意してください。
雪国の家づくりに長けたハウスメーカーに依頼する
これまで見てきた通り、雪国に家を建てる際には様々な工夫が必要です。したがって、施工会社の技量が大切なポイントになります。施工会社にはそれぞれ得意とする工法・構造があります。そのため、まずは高気密・高断熱住宅の施工実績やノウハウが豊富な会社を見極めることが基本です。施工会社を選ぶ際には、大手工務店やハウスメーカーだけでなく、地元の工務店にも目を向けてみてください。地域密着型の工務店は、その土地特有の気候や性質に特化した工法や構造に詳しいため、ぜひ一度相談してみてください。
まとめ
この記事では、雪国で家づくりを検討されている方に向けて、雪国の暮らしの特徴、家づくりをする際のポイントをご紹介しました。雪国の家では、厳しい寒さや積雪とうまく付き合っていくための知恵と工夫がたくさんあります。雪国での家づくりに迷っている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
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