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潜在意識を書き換える脳波活用法


近年、私たちは情報化社会の波に飲み込まれ、日々膨大な情報にさらされています。その中で、あの人のようになりたい、理想の自分になりたいといった願望を持つ人は少なくありません。しかし、努力してもなかなか思うような結果が出ないと感じている人も多いのではないでしょうか。その大きな原因に、「潜在意識」を変えることが非常に難しいということが挙げられます。

潜在意識とは、過去の経験や記憶、信念などが蓄積された無意識の領域です。潜在意識は、顕在意識よりもはるかに大きな力を持っており、私たちの行動や習慣に大きな影響を与えます。つまり、潜在意識を書き換えることができれば、ダイエット、仕事、人間関係など、様々な分野で望む結果を手に入れることができるのです。

近年、脳神経科学の発展により、脳波と潜在意識の関係が明らかになってきました。そこで今回は、潜在意識を書き換える脳波活用法についてご紹介したいと思います。


脳波とは?


脳波とは、脳の活動を電気信号として記録したものです。脳波はその周波数帯によって分類され、主な脳波は4種類あります。

【脳波の種類】
・α波(アルファ波):8~13Hz、リラックスしているときに出現
・β波(ベータ波):13~30Hz、覚醒状態や集中しているときに出現
・δ波(デルタ波):0.5~4Hz、徐波睡眠時に出現
・θ波(シータ波):4~8Hz、眠気があるときや深い瞑想状態にあるときに出現



① α波(アルファ波)

アルファ波は、8~13Hzの周波数帯で、一般的にリラックスしているときや目を閉じているときに見られることが多く、覚醒しつつも心が落ち着いている状態を示します。アルファ波は、心と体のリラックスに関連しており、ストレスの軽減や集中力の向上に寄与します。また、アルファ波が増えることで、創造力が高まり、新しいアイデアが生まれやすくなるとも言われています。

アルファ波には、学習や記憶の向上の役割もあり、リラックス状態で学習を行うと情報の記憶や理解を助けるため、試験前のリラックス方法としてアルファ波の活用が推奨されることがあります。さらに、アルファ波は睡眠の準備段階でも重要な役割を果たし、質の高い睡眠を誘導するために不可欠なものです。



② β波(ベータ波)

ベータ波は、13~30Hzの周波数帯で、覚醒状態での精神的な活動と強く結びついており、特に注意・集中や問題解決、論理的思考などが行われているときに顕著に現れます。日常生活の中で、例えば、仕事で複雑なタスクをこなしていたり、新しい情報を学習したりするなど、何かに集中していたり、ストレスを感じたりしているときにベータ波が優勢となります。

また、外部からの刺激に対して敏感に反応することもベータ波の特徴であり、周囲の環境に対する警戒心や、即座に対応が求められる状況においてもベータ波が活性化します。脳が効率的に情報を処理し、迅速な判断を下すことを支える役割を担い、ベータ波が適切なレベルで活動していると、集中力が高まり、注意力が持続します。

しかし、ベータ波の活動が過度になると、ストレスや不安感を引き起こす可能性があるため、リラクゼーションや休息の機会をつくることも重要です。日常生活においては、バランスの良いベータ波の活動が、健全な精神状態と高い生産性を発揮するために不可欠なのです。



③ δ波(デルタ波)

デルタ波は、0.5〜4Hzの周波数帯で、特にノンレム睡眠の第3~4段階、深い睡眠時に顕著に現れるとされています。身体と脳が最も深いリラクゼーション状態にあるとき、そして修復活動を行っているときにデルタ波は最も活発になり、この状況下において成長ホルモンの分泌が促進され、傷ついた身体の修復や再生が行われます。また、デルタ波は免疫機能の向上にも寄与しており、健康維持に重要な役割を果たしています。

デルタ波のもう一つの重要な役割は、脳の不要な情報の整理と記憶の統合であり、脳では深い睡眠中に日中に得た情報を整理し、重要な情報を長期記憶として保存する活動が行われます。この過程は脳の健康にとって不可欠であり、十分なデルタ波の生成が良質な睡眠と直結しているのです。



④ θ波(シータ波)

シータ波は、4〜8Hzの周波数帯で、瞑想や深いリラクゼーション状態、浅い睡眠段階に関連しているされています。通常、目を閉じてリラックスした状態になると、アルファ波が優勢になりますが、より深いリラックス状態や創造的な思考状態に移行するとシータ波が現れます。シータ波は、直感力や想像力、内省を促進し、特に創造的なアイデアが湧きやすい状態を生み出すとされています。

また、シータ波はストレスの軽減や心の安定にも寄与し、心身のリラクゼーション効果が期待できます。シータ波は、子どもの脳波で特に顕著であり、子どもたちが持つ創造性や学習能力の高さと関係していると考えられています。

実は、普段活用することが難しい大人でも、意図的にシータ波を誘導し、その効果を享受することができるのですが、詳細については後ほどご紹介します。


人生には“諦め”も必要


筑波大学で行われた実験※1でおもしろい結果が明らかになりました。

実験は、脳波リズムを非侵襲的脳刺激の一つである脳磁気刺激によって、行動が変化するのか否かというものです。簡潔に言うと、外部からの刺激で行動が変化するのかという実験ということです。

この実験により、クイズを解くという課題に対して、そのクイズが解けたときのプロセスには前頭の持続的なアルファ波の増加が関係し、クイズが解けずに諦めるときのプロセスには前頭のシータ波の増加が関係しているということが明らかになりました。さらに、外部(脳磁気)刺激によって前頭のシータ波を意図的に増加させると、諦めるまでの時間が早くなったというのです。

“諦め”というと、努力が足りない、忍耐力が足りないといったネガティブな印象を抱く人が多いかもしれません。しかし、効率的に諦めることができる人は、反すう思考、つまり同じことを繰り返し考える傾向が低いこともわかっています。

これは、失敗したことをいつまでも引きずってくよくよしたり、将来の漠然とした不安に押しつぶされそうになったりといったネガティブな思考から解放してくれる可能性を示唆しています。人生を明るく、元気に、前向きに生きていくためには、“諦め”も必要だということなのです。



潜在意識にアクセスするシータ波


「顕在意識」と「潜在意識」

人生には“諦め”が必要であるということから、自己啓発においてもシータ波が重要な役割を担うということわかるかと思います。実は、今シータ波が自己啓発の分野において注目されているのです。そしてそれは、“諦め”に寄与するに留まらず、とてつもなく大きな可能性を秘めているからにほかなりません。冒頭でも少し触れましたが、人の意識は、大きく「顕在意識」と「潜在意識」に分けられます。

例えば、ダイエットに取り組むときのことを考えてみましょう。

顕在意識とは、自分が意識的に認識している思考や感情です。「痩せたい」という目標や、「運動しなきゃいけない」という義務感などがこの顕在意識に当たります。一方、潜在意識とは、自分が意識的に認識していない思考や感情です。過去の経験や記憶、信念などが潜在意識に蓄積されています。潜在意識は、顕在意識よりもはるかに大きな力を持っており、私たちの行動や習慣に大きな影響を与えます。ここにほとんどのダイエットが失敗に終わる原因があります。

つまり、どんなに顕在意識でダイエットの重要性を理解し固い決意をしたとしても、潜在意識が変わっていないため、元の自分、いつもの行動や習慣に戻そうとするチカラが働いてしまうのです。裏を返せば、潜在意識まで変えてしまえば、ダイエットはいとも簡単に成功を収めることができるのです。



カギを握るシータ波


しかし、困ったことに潜在意識は通常表には出てこない意識であるため、潜在意識に働きかけ、書き換えることは非常に困難です。それではどうすればいいのでしょうか。

そのカギを握るのが、シータ波なのです。

シータ波は、先にご紹介したとおり、4~8Hzの非常にゆっくりとした波形であり、眠気を感じているときや、深い瞑想状態にあるときに出現します。寝落ちしてしまう寸前のボーっとした状態というとイメージしやすいでしょうか。催眠状態やトランス状態のときもシータ波が増加しており、このような状態においては無意識とのつながりが強まり、潜在意識へのアクセスが容易になります。つまり、シータ波状態では、顕在意識と潜在意識の境界線が薄くなり、潜在意識にアクセスしやすくなるのです。そして、潜在意識にアクセスしやすくなることによって、潜在意識の抵抗力が弱くなり、書き換えやすくなるのです。

さらには、シータ波状態では、潜在意識にある情報やアイデアが表れやすくなり、顕在意識では発揮されないような創造性が発揮されることもあります。このように、シータ波の状態を上手く利用することで、潜在意識に直接働きかけることができるのです。



シータ波を活用する方法


先にお話したとおり、シータ波には、潜在意識にアクセスし、書き換え、創造性を高める効果があります。それでは、シータ波を活用するためには、具体的にどうしたらよいのでしょうか。

それは、シータ波が出やすい“タイミング”を捉えることです。脳がリラックス状態になりやすく、シータ波が出やすい時間帯は、「睡眠直前」と「起床直後」です。この時間帯に効果的な行動をとることで、シータ波を活用することができるのです。



睡眠直前


まずは何よりもリラックスすることが大切です。ヨガをする、瞑想をする、深呼吸を行う、ヒーリングミュージックを聴くなどのリラックス方法を取り入れて、脳と体をリラックスさせましょう。また、脳を覚醒させてしまうとシータ波の出現が抑制されてしまうので、睡眠前7時間はカフェインを控える、睡眠直前はスマホやパソコンなどのブルーライトを浴びないといったことに注意が必要です。

このような準備が整ったら、潜在意識に書き込みたい内容のアファメーションを唱えたり、理想の自分をできるだけ具体的にイメージングしたりしましょう。これまで読んできた自己啓発本の内容をぜひこのタイミングで実践してみましょう。



起床直後


睡眠直前より、さらに効果が高いとされているのが、起床直後のタイミングです。

成功者は朝の習慣を大切にしている、ということを一度は見聞きしたことがあるのではないでしょうか。時計を見てあと5分寝られるとゴロゴロしている時間が、実は潜在意識を書き換えるのに最適な時間なのです。脳が覚醒してしまうとシータ波は抑制されて、潜在意識にアクセスすることが困難になってしまうため、目が完全に覚める前までが勝負です。

すぐに起き上がらず、数分間そのまま横になってアファメーションを行ったり、瞑想を行ったりして、潜在意識に働きかけましょう。潜在意識にアクセスしやすくするために、夢の内容や起床時の感情などを日記に書き出すことも有効です。

このような潜在意識への働きかけの後に、ストレッチや軽い運動をして血流促進、脳の活性化、あるいは朝日を浴びて体内時計のリセットを行うことで、最高の一日のスタートを切ることができるでしょう。



その他


「睡眠直前」「起床直後」のシータ波活用の効果をより高めるためには、

・睡眠環境を整える:寝室を暗く静かに保ち、適度な温度と湿度にすることで、質の高い睡眠をとる。
・規則正しい生活習慣を送る:毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きることで、体内時計が整い、シータ波出現のリズムをつくる。
・適度な運動を行う:適度な運動を行い、睡眠の質を向上させる。
・ストレスを溜めない:ストレスで脳を緊張させないようにする。

といったことにも取り組んでみましょう。

以上のような行動を習慣化することで、潜在意識にアクセスし、目標達成や自己実現に近づけることができるのです。



シータ波を使いこなして人生を好転させよう!


4種類の脳波は、それぞれ異なる役割を果たしています。それぞれの脳波の特徴を理解し、増やすための方法を実践することで、健康や仕事、生活の質を向上させることができます。

その中でも今回はシータ波にフォーカスしてお話してみました。寝落ちしてしまいそうなウトウトした状態、朝起きたばかりの寝ぼけまなこの状態は、実は潜在意識にアクセスする絶好の機会なのです。このチャンスを活かして、潜在意識を書き換え、あなたの望む人生に一歩を踏み出してみましょう。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

<参考文献>

※1川崎真弘、宮内英里、「諦めにはシータ波が肝心~磁気刺激で脳波リズムを制御し認知活動を変容させる~」、https://www.tsukuba.ac.jp/journal/pdf/p20211118191500.pdf、2024年2月27日閲覧
・Clarissa Hoffman, Jingheng Cheng, Daoyun Ji, and Yuri Dabaghian,“Pattern dynamics and stochasticity of the brain rhythms ”PNASVol.120(14),https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2218245120?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori%3Arid%3Acrossref.org&rfr_dat=cr_pub++0pubmed, 2024年2月27日閲覧
・人見健文、池田昭夫、「脳波の基礎知識」臨床神経生理学42巻6号、https://sndj-web.jp/news/002621.php、2024年2月27日