子育てには時間がかかります。
授乳、食事、おむつ替え、着替え、お風呂、歯磨き、遊び、通院…羅列するとたいしたことがないように思えるのですが、実際にやってみるとどれもこれも一筋縄ではいかないもの。
おむつを替えた瞬間にうんちをしたり、ごはんの入ったお皿を投げたり、お風呂に入りたくないと抵抗したり…。
このような状況では、家事にかけられる時間も限られてきますよね。そこで子育て世代にとっての「三種の神器」と言われている時短家電が、お掃除ロボット、洗濯乾燥機、食洗機です。
便利なのはわかるけれどいずれもまとまった出費が必要となるため、購入するか悩みどころではないでしょうか。
この記事では、「三種の神器」それぞれの特徴とコストパフォーマンスについて検討します。
さらには、「買ったけれど結局あまり使わない…」なんてことにならないよう、どんなライフスタイルのご家庭に向いているのかもあわせてご紹介します。
お掃除ロボットの特徴
スイッチ一つで家の中をきれいに掃除してくれるお掃除ロボット。
かつては、壁にぶつかって方向転換するランダム走行タイプが主流でしたが、最近では内蔵センサーやカメラによって家の間取りを記憶して壁にぶつからずに方向転換するマッピング機能搭載のタイプも多くなっています。
後者は前者に比べて掃除時間が約半分。
また、少しの段差であれば乗り越えて掃除を続け、階段のような大きな段差の場合は落ちないように手前で停止する賢さを備えています。
さらに最近では声やスマホで操作できるものもあります。
子どもがいるときに掃除機をかけるとほこりが舞うのが気になりますが、外出中に家の床をきれいに掃除してもらえれば、子育て世代にとってはありがたいですよね。
お掃除ロボットのコスパ
お掃除ロボットは、お手頃な3万円前後のものから機能満載の15万円超のものまでさまざまです。
この記事では、短時間で掃除してくれるマッピング機能搭載のタイプ(8万円前後)でコスパを検証してみましょう。
掃除機を週に2回、1回あたり20分かけるとしましょう。この場合、週に40分、1か月で160分、1年で1,920分(32時間)を掃除機がけに費やしていることになります。
これを労働賃金で計算すると、901円/時間(※)×32時間=28,832円です。
つまり、年間に約3万円分の時間を掃除機がけに使っています。この掃除機がけを3年続けると(28,832円×3=86,496円)、お掃除ロボット購入額と同等の時間を費やしたことになります。
よって、お掃除ロボットを3年使用すれば元が取れると言えます。
掃除機がけに費やしている時間を子どもとお出かけする時間に充てられると思うと、よい買い物ではないでしょうか。
※令和元年度の最低賃金時間額(全国加重平均):901円で算出(厚生労働省HP)。以下同様。
お掃除ロボット、こんなご家庭は要検討!
便利なお掃除ロボットですが、次のようなご家庭は注意が必要です。
第一に、大きな段差が多い家の場合です。
先述の通り、小さな段差であれば乗り越えて掃除してくれるのですが、大きい段差があるとそれ以上は進まないので掃除範囲が限定的になってしまいます。
第二に、ペットがいるご家庭です。
犬や猫を放し飼いにしている場合、お掃除ロボットを生き物だと思って怖がるケースもあるようです。
第三に、物をたくさん置いているご家庭です。内蔵センサーやカメラで物を検知して動くタイプのお掃除ロボットでも、ひもやコードを誤って巻きこんでしまうケースを想定して、床は極力物を置かない方がよいでしょう。
洗濯乾燥機の特徴
文字通り、衣類の洗濯から乾燥までを自動でやってくれる洗濯乾燥機。
ほとんどの洗濯乾燥機は乾きが不十分だと検知すると自動で乾燥時間を延長する機能を搭載しています。
天候に関係なく、必要な時に選択できるのはとても魅力的ですよね。
さらに最近では、泥汚れに強いもの、音が静かなもの、自動で必要な洗剤量を計測して注入するもの、衣類にしわがつきにくいものなど、痒いところに手が届く製品が登場しています。
子どもは食事や外遊びで洋服が汚れて一日のうちに何回も着替えるので、洗濯ものが多くなります。
たくさんの洗濯ものを干す手間がなくなると思うとうれしいですよね。
洗濯乾燥機のコスパ
洗濯乾燥機の価格帯は約8万円~約25万円です。
ここでは、標準のドラム型洗濯乾燥機(約15万円)でコスパを検証しましょう。
洗濯ものが多い子育て世代を想定し、1日1回洗濯をするとしましょう。
乾燥機能のない洗濯機の場合、干す作業と取り込む作業に1日あたり15分かかるとします。
1か月に450分、1年で5,400分(90時間)を洗濯干しと取り込み作業に費やしていることになります。
お掃除ロボットと同様に、これを労働賃金で計算すると、901円/時間(※)×90時間=81,090円です。
よって、洗濯乾燥機を2年使えば元が取れると考えられます。
洗濯乾燥機、こんなご家庭は要検討!
お掃除ロボットほどは注意すべき点はありませんが、強いて言えば、乾燥機に向かない衣類が多いご家庭は注意が必要です。
乾燥機で縮んでしまうような素材の衣類や、装飾の多い繊細な衣類は乾燥機にかけられませんので、せっかくの洗濯乾燥機をフル活用するのは難しいでしょう。
食洗機の特徴
食器を洗い、乾燥まで行ってくれる食洗機。
時短になるだけでなく、高温で洗うので衛生的であること、手洗いよりも節水できることも大きな魅力です。
設置方法は、キッチンの一部にはめこむビルトインタイプと、置くだけの据え置きタイプがあります。
ビルトインタイプは水道から取水するもので、素人では工事が難しいので専門の業者に依頼して設置してもらうことになります。
工事費がかかる分高額になりますが、キッチンに組みこめるので作業台等のスペースをとりません。
一方の据え置きタイプは水道から取水するタイプと、食洗機に備え付けられた水タンクから取水するタイプがあり、前者の場合に必要な水栓の分岐は素人でも可能な程度の作業です。
後者の場合は特に作業は不要です。設置は手軽ですが、置くためのスペースを確保する必要があるほか、コンセントの位置も確認しておくことが重要です。
食洗機のコスパ
食洗機本体は約3万円~約10万円の価格帯が多いようです。
ビルトインタイプの場合はこれに工事費が5万円前後上乗せされます。ここでは、人気の据え置きタイプ(約6万円)の食洗機でコスパを検証します。
1日2回、1回あたり約5分を食器洗いに費やすとしましょう。すると、1か月で300分、1年で3,600分(60時間)を食器洗いに使っていることになります。これを労働賃金で計算すると、901円/時間(※)×60時間=54,060円です。
よって、食洗機を1年2か月使えば元が取れると考えられます。
食洗機、こんなご家庭は要検討!
次のようなご家庭は食洗機購入に注意が必要です。
まず、賃貸に住んでいる場合です。賃貸の場合は大きな工事が必要なビルトインタイプではなく据え置きタイプを選択することが大半ですが、その際も水栓分岐をしてよいか、オーナーさんや管理会社に必ず確認しましょう。
次に、食洗機使用不可な食器を多用しているご家庭です。最近では食洗機対応の食器も増えていますが、陶器や木製の食器は食洗機不対応のものが多いため、せっかく食洗機を購入しても手洗いになってしまう恐れがあります。
最後に、リビングとキッチンがつながっているご家庭です。
食洗機の作業音は小さくないため、リビングでお子さんが昼寝をしたり、家族がテレビを見ていたりするときには使用しづらいかもしれません。
どのようなタイミングで食洗機を使用することになるか、購入前にシミュレーションしておくと安心ですね。
おわりに
それぞれのご家庭のライフスタイルに合った時短家電を賢く取り入れると、家事に費やしていた時間を子どもとの時間や自分のための時間に使うことができます。
まだ取り入れていないご家庭は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。