自然治癒力を高めて最高のコンディションを手に入れよう
世界中で今なお猛威を振るう新型コロナウイルス。
2020年12月8日イギリスで、世界に先駆けて新型コロナウイルス感染症のワクチンの実用が開始されました。
ワクチン接種した人の中からアナフィラキシーショックのようなアレルギー反応が見られるなどの不安が残る一方、免疫の獲得に向けて大きな期待も寄せられています。
そもそもワクチンは、無毒(弱毒)化された抗原を意図的に投与して、体内で抗体がつくられるように仕向け、感染症に対する免疫を獲得することを目的としています。
つまり、ウイルスに対する抗体をつくっているのは、他でもなくあなたの身体自身ということです。
新型コロナウイルス感染症は基礎疾患のある方は重症化しやすいと言われていますが、本来的に身体機能が正常に働いていなければ、身体が“侵入者”に対して適切に対応することができないということは、想像にたやすいでしょう。
いかに身体の機能を正常に保つことが重要かということなのです。
そこで今回は、身体機能を正常にするしくみ「自然治癒」についてお話ししたいと思います。
自然治癒とは?
自然治癒とは、ケガや病気が、手術や薬の投与によらず、本来の身体機能によって治ることを意味します。
このことからも手術や薬の投与によって治そうとする西洋医学とは、全く別のアプローチだということがわかるでしょう。
例えば熱が出た、咳が出た、鼻水が出たというときどうするでしょうか?
西洋医学では、熱に浮かされてつらいから熱を下げよう、咳でのどが痛いから咳を止めよう、鼻水が垂れてつらいから鼻水を止めようと、薬を服用させるでしょう。
一方で自然治癒は、その名のとおり自然に治癒するのを待つ形になるので、熱を下げようとせず、咳を止めようとはせず、鼻水を止めようともしません。
ここで考えるべきは、なぜ熱、咳、鼻水といった症状が現れるのかということです。
それは、一言で言ってしまえば、身体に入った異物(ウイルスや菌)に対処するためなのです。
熱が出るのは、ウイルスや菌の増殖を抑えるとともに、白血球の殺菌・免疫機能を高めるためです。
咳や鼻水が出るのは、身体に入ったウイルスや菌を体外に出すためです。
薬を服用すると熱が下がったり、咳や鼻水が止まったり症状が緩和するため一見治ったと思ってしまいますが、実はまだ体内にはウイルスや菌が残っているかもしれません。
インフルエンザが薬による解熱後も安静期間が設けられているのは、体内にウイルスが留まっている可能性があるからに他なりません。
「症状が緩和した=治癒した」というわけではないのです。
自然治癒の観点では、身体の症状を受け止めてあげるのです。
症状を緩和させる(身体機能がやろうとしていることをブロックする)西洋医学に対して、症状を見守る(身体機能がやろうとしていることを受け入れる)自然治癒といったように、全く逆のアプローチなのです。
もちろん西洋医学は体力の消耗を抑制してくれたり、身体への致命的なダメージを回避させてくれたりするので、どちらがいいという話ではありません。
大切なのは何らかの症状が表れたときに、あなたの身体機能が何かをしようとしている、それを受け入れてサポートするのが、自然治癒であるということです。
自然治癒にも良い生活習慣が欠かせない
かつて「成人病」と呼ばれる病気がありました。
糖尿病やがんなどの病気を総称してこのように呼んでいたのは、病気の発症や進行は加齢に起因するものだと考えられていたからです。
しかし、これらの病気は加齢というよりも、食生活や運動習慣、飲酒・喫煙といった「生活習慣」によるものであることわかってきたのです。
決して大人だけの問題ではなく、子どもも発症しうる病気で、生涯通じて健康的な生活を送ることで予防できるという意味も含めて、平成8年に成人病から「生活習慣病」と呼ばれるようになりました。
悪い生活習慣ができてしまうと、身体の機能は正常に働かくなり、自然治癒のチカラが弱まってくる、結果として生活習慣病になってしまいます。
もちろん遺伝による病気もありますが、病気は環境、つまり生活習慣に起因していることが非常に多いのです。
あなたは日々のタイムスケジュール、食事などの生活習慣を他の人に見せたとき、「ああそんな生活していたら病気になるよな」という生活を送っていませんか?
今一度あなたの日々の生活を見直してみましょう。
これは目標達成のためにも役に立ちます。
一日のうちに目標達成のための時間をどれくらい取っているのか、それが目標達成のための妥当な時間なのかがわかるのですから。
誰の目から見ても健康的な生活を送るよう心がけていきましょう。
良い生活習慣を妨げるモノ
一口に健康的な生活、良い生活習慣といっても、それを築き上げるのはとても難しいものです。
では良い生活習慣を築くためにはどうしたら良いのでしょうか。
「習慣」とは言うまでもなく「継続」することです。
人間にはホメオスタシス(恒常性維持機能)が備わっていて、心地よいと思うところに留まり続けよう、その状態を継続しようとします。
以前の記事で、三位一体脳モデル(「爬虫類脳」「哺乳類脳」「人間脳」)というものがあり、どの脳もあなたのためを思っているということをお話ししましたが、この3つのバランスが問題となります。
爬虫類脳の声が大きくなりすぎると本能のままに、気の赴くままに生活を送る、食べては寝て、苦から遠ざかり楽に近づく、堕落的な生活になり、それを継続しようとしてしまいます。
そこで、人間脳の声が必要になってくるのです。
人間に備わった理性を働かせることで、人間らしく規則正しく健康的な生活を送るようにしてくれるのです。
そして、その理性を働かせるために欠かせないのが「意志力」です。
意志力には限界があるため、最大限のチカラを発揮するためには、意志力をすり減らすモノを取り去る必要があります。
意志力をすり減らすモノとは、「負の感情」です。
不安や悩み、悲しみといった負の感情を抱くとき、あなたは負の感情で意志力をすり減らしてしまうのです。
意志力を奪うモノを取り除く方法
どんなに身体にいいモノを食べても、老廃物が溜まったり、腸内で腐敗してしまったりするものです。
そのため汗をかいたり、便を出したりといったように、身体の外に出すことが大切になります。
身体に良くないモノは排出、排泄する。
これは物理的なモノに限らず、不安や悩みのような心理的なモノにも同じことが言えます。
要するに負の感情も身体の外に出してしまえばいいのです。
その効果的な方法が、以前もご紹介した「Think on Paper(紙の上で考える)」です。
不安や悩みといったカタチのないものは、カタチを留めておけないため、際限なく増大してしまうのでしたね。
カタチのないもの、実体のないものを紙の上に落とし込み、文字やイラストというカタチのあるもの、実体のあるものにしてしまう方法が「Think on Paper」でした。
こうすることで見える化した負の感情を客観的に捉えることができるのです。
今回はもう一歩踏み込んでみます。
書き出したものを「自分でコントロールできるモノ」と「自分でコントロールできないモノ」の2つに分類してみましょう。
はっきりと言ってしまえば、「自分でコントロールできないモノ」は心に留めていてもしょうがないのです。
地震が起こったらどうしよう、と不安に思っていても地震が起こらないようにコントロールすることはできないですよね。
防災グッズを準備したり、津波が届かない場所やがけ崩れが起こりづらい場所あるいは耐震性の高い住居に引っ越したりということはできるかもしれません。
しかし地震がいつ、どこで、どれくらいの規模で起こるかなんて気にしてもコントロールできないんです。
人に嫌われたらどうしよう、と悩んでいても人の感情をコントロールすることはできないですよね。
もちろん言葉遣いに気をつける、約束を守るといったことはできますが、それに対して相手がどういう感情を持つのかということまではコントロールできないはずなんです。
つまり、「自分でコントロールできないモノ」は、あなたが気にしようが気にしまいが状況が変わることはない、あなたがどう思おうが関係ないのです。
だから「自分でコントロールできるモノ」にフォーカスして、「自分でコントロールできないモノ」は忘れてしまう、諦めてしまう。
これ以外に方法はありません。
そして、この2つの上手く分類して、「自分でコントロールできないモノ」を手放してしまえば、あなたの意志力を無下にすり減らすことはなくなります。
「自分でコントロールできるモノ」にだけ意識を向ければ、良い生活習慣を築き上げるため、良い生活を継続するための意志力を生み出すことができるのです。
自然治癒力を高める
良い生活習慣を獲得すれば、自然治癒力も次第に高まってくるはずです。
そうなると最高の自然治癒力を手に入れるには、やはり習慣化された運動、栄養、休養それぞの内容も大切になってきます。
運動は、適度な頻度で、適度な強度で行うようにしましょう。
くれぐれも自身の自然治癒力を大きく超えるような過度な運動は控えるようにしてください。
特にダイエットに取り組まれる方は要注意です。
早く痩せたいと思うばかりに、一度に何時間ものトレーニングをしたり、疲労が回復する前に次のトレーニングを行ったりと、身体を壊してしまう可能性が高いからです。
そして一度にまとめて取り組むようなトレーニングは継続しないのです。
大きな目標を立てて、小さく始めましょう。
栄養は、野菜やフルーツのような自然食をベースに、添加物の少ないサプリメントを活用するのが良いでしょう。
食べ合わせの観点からも、一食一食でバランスを保つ必要はないでしょう。
ときには食べたいもの(身体に良くなさそうなもの)を食べてもいいと思います。
ただそのような食事が立て続けにならないようにすること、身体の外に排出するように汗をかいたり、便をしたりするよう心がけましょう。
休養は、睡眠時間の確保、お昼寝の活用を行うといいでしょう。
寝る前にテレビ等の強い光を浴びたり、スマートフォン等で指先を動かしたりすると、脳が覚醒して安眠の妨げになります。
寝る前はできる限り、暗く静かな環境をつくり出すようにしましょう。
そして、心理的な面でも前向きで、明るい未来を描けるよう取り組んでいくことが大切です。
笑うこと、愛すること、このようなポジティブな感情は、身体にも良い影響をもたらすのです。
考え方のクセを正し、人生を謳歌できる態度を持ち続けましょう。
すべてはあなた次第
新型コロナウイルス感染症は、感染防止策をとれば経済が衰退し、経済をとれば感染が拡大するというトレードオフの事態を招いています。
感染防止に協力する人もいれば、経済を回すことに協力する人もいます。
誰一人として悪くないのです。
そして、これらのことは「自分でコントロールできないモノ」なのです。
マスクをする、手洗いうがいを徹底するといった「自分でコントロールできるモノ」をできる限りしたら、あとは諦めるしかないのです。
どんなに感染予防に努めていても、感染してしまうケースもあります。
そうであれば、感染しないことと同じくらい、感染してしまったときに重症化しない身体機能を築くことが重要なのです。
すべてはあなた次第なのです。
最後までお読みいただきありがとうございました。