新築住宅において、冬場の快適な暖房を実現するために床暖房が注目されています。しかし、床暖房の導入には費用や種類、メリットや注意点があり、十分な検討が必要です。今回は、新築住宅の床暖房につて詳しく解説します。ぜひ、これから新築を考える方や、暖房設備を見直す際の参考にしてください。
新築の床暖房の費用目安
新築住宅に床暖房を導入する際の費用目安を紹介します。
床暖房の設置費用
床暖房の設置費用は、床の面積によって異なります。一般的には、1畳あたりの費用が5万円〜10万円程度とされています。以下は具体的な費用目安です。
・6畳の場合 :30万円〜60万円
・8畳の場合 :40万円〜80万円
・10畳の場合:50万円〜100万円
・12畳の場合:60万円〜120万円
・15畳の場合:75万円〜150万円
※ 費用はあくまでも目安です。
床暖房の設置費用は、部屋の広さや設置する場所によって大きく異なりますので、具体的な見積もりを取ることが重要です。
床暖房のランニングコスト
床暖房の使用には、電気代などのランニングコストがかかります。エアコンと比較しても、床暖房のランニングコストは高くなります。一般的な8畳の部屋を1日8時間使用した場合、ランニングコストの目安は以下の通りです。
・温水循環式床暖房:約110〜130円/1日、約3,300〜3,900円/1ヶ月
・電気ヒーター式床暖房:約90円〜200円/1日、約2,700〜6,000円/1ヶ月
・エアコン:約110〜140円/1日、約3,300〜4,200円/1ヶ月
※ 費用はあくまでも目安です
床暖房のランニングコストは床暖房の種類や使用方法によっても異なるため、自分の使用状況に合わせて計算することが大切です。
温水式床暖房の初期費用
温水式床暖房は、お湯を温めて床下を循環させる方式です。そのため、設備の購入費用や施工費用が高くなる傾向があります。一般的な新築住宅での設置費用は、60万円〜80万円程度と言われています。
温水式床暖房は初期費用が高いですが、毎月の光熱費が抑えられるという特徴もあります。使用状況によっても変動しますが、長時間使用する場合には、エアコンと比べて光熱費の節約が期待できます。
電気式床暖房の初期費用
電気式床暖房は、床下にヒーターや発熱体を設置して暖める方式です。温水式に比べて初期費用は安く抑えることができます。一般的な新築住宅での設置費用は、40万円〜60万円程度と言われています。
また、電気式床暖房は初期費用が安い一方で、毎月の光熱費は温水式に比べて高くなる傾向があります。使用状況によっても変動しますが、小さな空間や使用時間が短い場所に設置することをおすすめします。
具体的な費用は、設置する床暖房の種類や部屋の広さ、設置場所などによって異なりますので、見積もりを取る際には比較検討するように。
床暖房の種類と特徴
床暖房には電気式と温水循環式の2つの方式があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
電気式の床暖房
電気式の床暖房は、床下に電熱線を敷設して床を暖めます。以下に電気式の床暖房の種類と特徴をまとめます。
●電気シート式:
床下に電気シートを敷き込む方式で、電源を入れるとシートが暖かくなります。光熱費が高くなる傾向がありますが、機器代は抑えることができます。
●ヒートポンプ式:
夜間の電力を使用して温めた温水を循環させる床暖房です。電気シートよりも暖かく感じられるとされ、現在主流となっています。
●ガス式の床暖房:
近年人気が増しているガス式の床暖房です。給湯器でお湯の貯湯や床暖房の温水を作ることができ、機器代のコストを抑えることができます。
温水循環式の床暖房
温水循環式の床暖房は、熱源機を使用して加熱した温水を暖房に利用する方式です。以下に温水循環式の床暖房の種類と特徴をまとめます。
●蓄熱式床暖房:
夜間に熱を蓄え、日中に使用する方式です。室内を均一に暖めるため、比較的低い室温でも快適に過ごせます。
●PTCヒーター式床暖房:
ヒーター自体が温度センサーの役割を持ち、床面を効率的に温めることができます。
●電熱線式床暖房:
電熱線パネルを床下に設置して床を暖める方式です。施工が比較的簡単で、初期費用を抑えることができます。
●温水式電気床暖房:
ヒートポンプを使用して温水を作り、床下を循環させて部屋を暖める方式です。電気代を節約できるとされています。
●温水式ガス床暖房:
ガスを熱源として温水を作り、床下を循環させて部屋を暖める方式です。省スペースで設置でき、温まるのが早いとされています。
これらの床暖房の種類は、設置条件や費用、メンテナンスの有無などが異なります。床暖房は新築住宅に導入するのが理想的ですが、蓄熱式床暖房以外は戸建てや集合住宅などにも設置することができます。
床暖房のメリット
床暖房の導入には多くのメリットがあります。他の暖房器具と比較して、床暖房が持つ特徴的なメリットをまとめました。
足元から感じる温かさ
床暖房の最大のメリットは、足元から感じることができる温かさです。エアコンやストーブでは、上部が温まりがちで足元が冷えがちになることがあります。しかし、床暖房は床からゆっくりと体全体を暖めていくため、暖かさが均等に行き渡ります。
水蒸気が発生しない
床暖房は水蒸気を発生させないため、結露の心配がありません。一部の暖房器具では、燃焼によって水蒸気が発生し、結露の原因になることがあります。しかし、床暖房ではそれが起こらないので、健康的な居住環境を維持することができます。
風がないので乾燥しにくい
床暖房は風を発生させないため、室内が乾燥しにくい環境を作ることができます。エアコンやファンヒーターは風を発生させるため、湿度が下がり乾燥してしまうことがあります。しかし、床暖房は風がないため、湿度が保たれ、快適な環境を作ることができます。
掃除の手間が少ない
床暖房は床下に設置されるため、日常的な掃除の手間が少なくて済みます。エアコンのフィルターの掃除やストーブの片づけが必要なく、メンテナンスの手間がほとんどかかりません。また、ホコリが舞うこともないため、居住空間を清潔に保つことができます。
事故の心配がない
床暖房は事故のリスクが低いと言えます。石油ストーブや電気ヒーターなどの暖房器具に比べて、事故が起こる可能性が低くなります。特に小さな子供がいる家庭では、安全性が非常に重要です。床暖房は高温になることがないため、子供が触れて火傷する危険性も低くなります。
床暖房はこれらのメリットによって快適な環境を作ることができます。足元から感じる温かさ、結露や乾燥の心配が少ないこと、掃除の手間が少なくて済むこと、そして安全性が高いことから、広く人々におすすめの暖房器具です。
床暖房の注意点
床暖房を導入する際には、以下のポイントに注意が必要です。
部屋の暖まりに時間がかかること
床暖房は他の暖房器具に比べて立ち上がりが遅いため、部屋全体が暖かくなるまでに最低1時間程度かかることを理解しておきましょう。
メンテナンスの必要性
一部の床暖房は定期的なメンテナンスが必要な場合があります。特に温水循環式床暖房では、不凍液の交換などのメンテナンスが必要です。メンテナンスには費用がかかることもあるため、事前に頻度や費用を確認しましょう。
初期費用とランニングコストの高さ
床暖房の導入には初期費用がかかり、光熱費も他の暖房器具と比較して高額になることがあります。特に電気ヒーター式床暖房はランニングコストが高くなりがちです。設置前に初期費用とランニングコストを考慮し、予算計画を立てましょう。
以上が床暖房の注意点です。床暖房を導入する際には、これらのポイントを把握し、自分の環境と予算に合った選択をしましょう。
まとめ
床暖房は、足元から感じる温かさや結露の心配がないこと、掃除の手間が少なく安全性が高いことなど、メリットが多岐にわたります。ただし、部屋の暖まりに時間がかかることやメンテナンスの必要性、初期費用とランニングコストの高さにも注意が必要です。自分の環境や予算に合わせて、最適な床暖房を選ぶことが大切です。快適な暖房環境を手に入れるために、床暖房の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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